君の心は奪えない




「あー、楽しかった‼︎羽月、大活躍だったね!」
「花音ちゃんは珍プレー続出で面白かったよ」
「なんで上に打ってるつもりなのに後ろにいくんだろー?」


体育の時、女子の更衣室になっている視聴覚室で着替えを終えたあたしたち。

教室まで廊下を歩きながら、今日の体育の話をする。


花音ちゃんは運動音痴だ。
バレーもバスケも、なんなら球技全部で想定外のことを起こすから見ていて面白い。



「ケガさえなければいいよ。成績は……うん、一生懸命してたら3はつくよ、多分」
「去年も3くれてたから大丈夫だと思う‼︎」


自信満々、ガッツポーズを見せる花音ちゃん。
無邪気な笑顔がまた可愛い。


「そういえば、羽月は大丈夫?サーブ打ちすぎて、右腕に青あざできてるけど」


花音ちゃんが言う通り、あたしの右腕の内側には青いあざができてる。

別に痛みはないから大丈夫ではあるんだけど……。


明日の侵入調査では、がっつり隠さないといけないなぁ。