なんておこがましい……。 花音ちゃんを助けたと思っていたことも、和泉があたしのために動いてくれてるんじゃ⁉︎って思ってしまったことも恥ずかしい……。 花音ちゃんの分よりも多い問題集を持って、教室から出ていく和泉の後ろ姿を見て、ため息をつく。 ていうか、和泉はあたしがケガする前から優しかったし。 『泣くなよ。大丈夫、俺がいるから』 あたしはそんな、ずっと優しい和泉に救われてるんだ。 「はーぁ」 怪盗フローラに盗まないものはないけれど。 あたしが本当に欲しいものは、盗めるものじゃない。