君の心は奪えない






「井田、職員室にノート持ってくの、手伝うよ」
「本当?じゃあ半分お願いしたいな」

創立パーティー潜入捜査を明日に控えた、金曜日。
今日も今日とて、あたしは本業の学生生活を送らないといけない。

明日は大切なミッションの日だというのに!
集中力を欠いてくることをしてくれている、黒瀬和泉君ですねぇ!

これ見よがしに!あたしの目の前で!
花音ちゃんのお手伝い!(花音ちゃんがあたしの目の前の席だから、やりとりが目の前で繰り広げられるのは仕方がない)


くっ……そんな優しいところも好き……。
そう思ってしまうのは、あたしが和泉をひいき目で見てしまっているからなのか……。


小さくて、ふわふわしてて、女の子らしい花音ちゃん。
あたしだって助けたくなっちゃうよ。

……そういえば、いっかい花音ちゃんを助けてるときにケガしたことがあったなぁ。