「井田の話、ちゃんと聞いてやれ」
「羽月の頭、ちゃんと守ってやれ」


右隣から言われた言葉に、言い返すと、またしても右隣の人が持っている丸めた冊子で軽くはたかれた。


「もう‼︎和泉ひどくない⁉︎」


さっきから、あたし……甘北羽月の頭をペシペシはたいているのは、黒瀬和泉。

彼もまた、花音ちゃんと同じく小学生からの仲。

花音ちゃんと違って、和泉と仲良くなったのは、5年生とか6年生とか、高学年になってからだけど。


はなかれた箇所を自分で撫でていると、和泉は花音ちゃんの方に視線を向けた。



「昨日、怪盗に入られたとこは5年前の強盗犯だったらしいな。怪盗が盗んだ宝石は5年前に盗んだもので、それは既に強盗の被害者のもとの返されていた……」

「そうそう‼︎現場に残されているのは花びらと、怪盗が入った家の人がした悪事の証拠」