☆
『ふたりが帰ってすぐ、和泉君の家の宝石が盗まれた日からの、有名な宝石商やコレクターの動きを追ったんだ。そうしたら、ちょっと怪しいのがひとり見つかった』
「えっ、本当?」
『うん。黒瀬貿易と関わりがあってね』
「黒瀬貿易?」
突然貿易の名前が出てきて、首をかしげながら自分の部屋のパソコンで検索する。
すると、貿易会社の説明と一緒に、代表の顔写真が出てきた。
……んー?
この顔、見覚えがあるような……。
『和泉君のお父さんの会社が、黒瀬貿易』
「えっ……ええ!?」
そうだ……この、代表の人の顔……!
和泉にそっくりだ!
パソコンの画面をスクロールさせていくと、黒瀬貿易が国内でかなり大きな貿易会社だということが分かった。
「こんなに力がある会社で、しかも貿易のお仕事してるなら宝石に関わる人も出入りするかも……」
『うん。それで、その黒瀬貿易が創立50年のパーティーをするらしい。』


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