和泉は、喫茶店を出てから初めて穏やかに笑った。
その笑顔にどきりとしたけど、それをごまかして、あたしもへらりと笑う。
「……春義さんに話をして良かった」
「きっと、見つけてくれるよ、あの人なら」
胸をはって言える。
春義君なら大丈夫。和泉が見つけたいもの、きっと見つけてくれる。
すると、隣を歩いていた和泉が突然足を速めて、あたしの目の前に立ちはだかった。
なんだか真剣な表情をしている和泉に、あたしも緊張してしまう。
「ど、うしたの……?」
「羽月、あの人のこと好きなの」
……はい?
確かにものすごくかっこいい人だけど。
あたしの憧れの師匠だけど。
でも、和泉が聞いてきた“好き”はそういう意味じゃないよね?
「春義君は、あたしの……」
お兄ちゃんみたいな存在で、とても尊敬している人で……。
そう伝えようとした時、あたしのスマホの着信音がなった。


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