君の心は奪えない



「……あたしが大泣きしそうかどうかは置いといて。それであたしね、泣きながら家を飛び出して、春義君の喫茶店に入ったんだ。春義君が失くしもの探ししてることは知らなかったんだけど、でも、なぜかあたしはあの店の扉を開けたの」


そこで、春義君が出迎えて、声をかけてくれた。


『そんなにボロボロ泣いて、どうしたの』


あたしは泣きじゃくりながら、事情を春義君に話した。
すると、春義君は言ったんだ。


『君の失くしもの、取り戻してあげる。依頼料は、この喫茶店の常連になること。そして……僕の弟子になること』



それで、晴れておじいちゃんの形見を取り返してもらえて、あたしは怪盗フローラになりましたとさ。

取り返してもらうまでも、弟子になってからもいろいろあったけど、春義君はあたしの恩人だ。


「あたしも、和泉と一緒。だから、面白くない話聞かせてごめん~とか思わないで」
「……ん。ありがと」