「おじいちゃんね、仕事を初めてからずっと貯めてきたお給料でやっと買った宝石なんだって教えてくれたの。その宝石を受け取ってほしい人がいて、それがおばあちゃんだったんだけど、断られたんだって」
「断られた?なんで」
「『あなたの十年以上の努力の結果を、今この数秒間で簡単に受け取ることはできない』って言われたんだって。おばあちゃん、かっこいいよね。
でも、ふたりは結婚して、ふたりでその宝石をずっと大事にしてきて。おばあちゃんが亡くなって、おじいちゃんもそのあとすぐ亡くなって」
おじいちゃんと、おばあちゃんの宝物。
宝石そのものに大きな価値はなかった。
でも、ふたりと人生を共にしてきた、大切な宝石。
「ふたりはもういないけど、ふたりの人生が詰まってるものなんだよ?それを『もうあきらめよう』って、お母さんとお父さんに言われて、あたし大泣きしたんだ」
「しそうだなー、大泣き」
『しそう』って言われるほど、和泉の前で泣いたことありませんけどね!


![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)
![[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/11512-750.jpg?t=1695974945)