君の心は奪えない



絶対に、絶対に!
あたしが怪盗フローラってばれないようにしないといけない……!


夕日に照らされ、オレンジ色になった地面の上を和泉と並んで歩きながら固く決意していると。


「……悪い、今日変な話聞かせて」
「え?何が?」
「いや……宝石が盗まれたとか、聞いてて楽しい話じゃないだろ」
「それは、まあ…笑いごとじゃないけど。でも、謝られるようなことじゃないよ」


ローファーのつま先で小石を軽く蹴って、あたしは笑う。


「うちも、宝石盗まれたことあるよ。死んだおじいちゃんの形見で。多分、和泉もだと思うけど、警察に頼んでもダメで。見つかるかわからないって言われて。……うちはね、家族もみーんなあきらめちゃったの」


耳の下でふたつ結びにしている、天然のカールがゆるくかかった髪の毛先をいじりながら話を続ける。