「和泉、あたしもね、春義君に失くしものを見つけてもらったの。春義君の腕は信頼していいから、安心して」


今は、春義君が失くしものがどこにあるか、犯人が誰なのかという事前調査をして証拠をつかんで。
あたしが春義君の調査をもとにして、怪盗として失くしものを取り戻すっていう役割分担をしているけど、あたしが来る前までは、春義君がひとりですべてしていた。

春義君が、春義君のおじいさんから受け継いだ技術を使って。


「きっと大丈夫。見つかるよ、和泉の大切なもの!」


そう笑いかけると、和泉はぺしっとあたしの頭をはたいた。


「もう!なんでたたくの!」
「なんでお前が自慢げなんだよ」
「いいじゃん!春義君はあたしの自慢!」


そういうと、和泉は追加で舌打ちをしてまたあたしの頭をはたいた。



「羽月、もう勘弁してやれ」



春義君は、自分用のコーヒーをカップに入れながら苦笑いを浮かべた。