君の心は奪えない





「実は……盗まれたんだ」



終 わ っ た



「それは気の毒に……。あっ、ワッフル食べていいよ。羽月、ちょっと奥に行っててもらっていい?依頼者の話になる。守秘義務が……」


どうせ後で共有することになるけどね!
でも、こういう仕事は信用第一だ。

まずは、春義君が和泉に信用されないといけない。


春義君に言われた通り、移動しようと立ち上がると。

パシッと手を和泉につかまれた。


あたしよりも体温が低いのか、少し冷たい手にドキドキする。


「奥って、どこ」
「どこって……春義君が住んでるとこ?」


この建物は、喫茶店(事務所)と春義君の自宅を兼ねている。
喫茶店のスペースから一歩奥に入ると、そこはもう春義君の自宅空間だ。


「なっ……だめだ!」
「え!?」


あたしの手をつかんでいる和泉の手に、さらに力が込められる。