ブラウンの、隠し事がぜんぶ見抜かれてしまいそうな瞳で見つめられた和泉。
気まずそうに、少し目をそらしながらぽつりと口にした。
「失くしものを、探して」
その言葉に、あたしははっと息をのんだ。
心拍数があがっていくあたしとは裏腹に、春義君は穏やかな表情で和泉をじっと見つめている。
「そっか。君はうちのことを知ってるんだね」
「はい」
「中学生で、この喫茶店に入ってくる子は珍しいから、そうかなーとは思ってた」
「ばあちゃんが、友だちと話してたのを聞いて……それで、来た」
もしかしたら、和泉のおばあさんの友だちは過去の依頼者かもしれない……。
まさか、和泉とあたしの怪盗業つながってしまうなんて……!
「失くしものを見つける、それは確かにうちの仕事だ。でも、受け付けられないものもあってね。例えば、迷子になった犬や猫。生き物は専門外だから、別の探偵に仲介するよ」


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