君の心は奪えない




「えっと……和泉はなんでここに?今日、サッカー部は?」
「グラウンド整備で休み」
「そうなんだ!ははは……」


空気が冷たい!会話が続かない!
どうしてこんなにご立腹なのでしょうか……。

パラパラとメニューを見た和泉は、シュガーワッフルを注文した。

中もっちり、外カリカリの春義君特性ワッフルは、あたしの好物のひとつでもある。


「ここのワッフル、おいしいんだよ!春義君、焼くのがすごく上手なの」
「……ふーん」
「あと、チュロスもおすすめ!」


あたしが話を投げかける、それを和泉がひとことで返す、というやりとりをしばらくしていると、焼きあがったワッフルと水を春義君がカウンターに置いた。


「一方通行だな、羽月」
「なんでかわからないけど、和泉がへそを曲げておりまして!」
「……にぶ」
「え?春義君、何か言った?」
「何も?ところで、和泉君……だよね?君はどうしてここにきたの?」