その夜、夢を見た。

白い霧が濃い道を延々と歩き、たどり着いた場所も真っ白だった。

そこに現れたのは一人の女性。

「汝、選ばれしペルソナを有す」
と一言言い、去っていった。

気が付くと朝だった。
体調は万全。天気良好。
いつもと変わらぬ朝だった。
だが一つ変わっていた。
それは自分の中にあるもう一人の自分の存在。

『おはよう、リイア』
胸に手を当て、心の中で呼びかける。やがて返事があった。
『おはようございます、葵様』
あぁ、これがペルソナか。葵が15歳になった日の朝だった。