〇花園家・玄関・内(朝)
スクールバッグとお弁当袋を持った杏奈が靴を履いている。
母親の花園香澄(38)が見送る。
香澄「珍しいわね。時間より速く学校に行くなんて、竜太郎ちゃんと何かあった」
杏奈がドキッとして、
杏奈「何にもないよ。たまにはね」
と「いってきまーす」と出て行く。
香澄「いってらっしゃい」
と手を振って見送る。
〇伏見家・外観(朝)
二階建ての一軒家。
〇同・玄関・外(朝)
杏奈がチャイムを鳴らす。
より子の声「はーい」
ドアが開いて竜太郎の母親伏見より子(39)が出て来る。
より子「杏奈ちゃん。どうしたの? いつもよりもずっと早いじゃない」
杏奈M「私ってどれだけ遅いと思われてるの?」
と苦笑いしつつ、
杏奈「おはようございます。あのー竜ちゃんは………」
より子「あら、聞いてなかった? 今度、練習試合があるからそれまで仲間と一緒に自主練するって、行っちゃったんだけど……」
杏奈「そうだった。忘れてた」
杏奈M「本当だったんだ。アレ。怒って一緒に行かない口実かと思ってた」
〇〇×高等学校・教室
授業を受ける杏奈。
隣の席で教科書を立てて寝ている雪平。
雪平をチラッと見る杏奈。
杏奈M「私と竜ちゃんの仲を引き裂いたのに、気持ちよさそうに……いや、あれは私も悪いのか………でも、待って竜ちゃんだって綾乃って子と一緒だったじゃん。同じ学校だからっていつも一緒にいなくても………それを言ったら昨日の私も同じだ」
頭を抱えて「どーすればいいのー」と心の中で叫ぶ杏奈。
〇同・体育館(夕~夜)
T・「放課後」
バスケ部がパスの練習をしている。
杏奈と穂波がタオルと飲み物を持って話している。
杏奈「練習試合ですか?」
穂波「そう毎年、やってる因縁のライバル高校なの」
杏奈「へぇー。そんな学校があったんですね」
穂波「うーん。最初は違ったみたい」
杏奈「?」
穂波「両校の交友を深めようって目的で新入生の腕試し的なものだったんだけど……あ、時間だ」
と笛を吹く。
バスケ部員たちが休憩でタオルを受け取り、水分補給をしている。
部長(17)、来る。
部長「(杏奈に)話? 聞いた? 練習試合の」
杏奈「因縁の相手なんですね」
部長が苦笑いをする。
部長「うーん。今はそう言われてるみたいだけど………」
杏奈「違うんですか?」
部長「始めは部長同士が同じ中学出身で、入部してすぐに練習試合できないかって話になって、わりと仲良く始まったんだけどな」
穂波「なぜか、今は因縁の相手同士って言われてるのよ」
雪平、来る。
雪平「練習試合の話ですか?
部長「ああ、一年生の腕試しが目的だから頑張れよ」
雪平「任せてください。オレが全員、叩きつぶして見せますよ」
部長「ああ、期待してるよ」
雪平「(仲間に向かって)練習試合、絶対勝つぞ!」
部員たちが「おー!」と腕を上げる。
部長・穂波・杏奈M「あ、これが原因か」
× × ×
ピーッと笛の音。
部長「ボール拾って終了するぞ」
部員たちから「はーい」と返事が返って来る。
杏奈「練習試合って勝ち負けはどうなんですか?」
穂波「勝ち負け」
杏奈「何勝何敗とか?」
穂波「確か、同じくらいだったかな?」
雪平が両手にボールを持って来る。
雪平「今度の練習の応援。しっかしな」
杏奈「分かっているわよ」
雪平が笑ってみせる。
杏奈「代わりに失敗したら許さないから」
雪平「おーこわ」
雪平「それにしても、楽しみだな。□□高校との練習試合」
杏奈「へえ。□□高こ……え?!」
穂波「どうかしたの?」
杏奈「竜ちゃんの高校と練習試合するの!?」
スクールバッグとお弁当袋を持った杏奈が靴を履いている。
母親の花園香澄(38)が見送る。
香澄「珍しいわね。時間より速く学校に行くなんて、竜太郎ちゃんと何かあった」
杏奈がドキッとして、
杏奈「何にもないよ。たまにはね」
と「いってきまーす」と出て行く。
香澄「いってらっしゃい」
と手を振って見送る。
〇伏見家・外観(朝)
二階建ての一軒家。
〇同・玄関・外(朝)
杏奈がチャイムを鳴らす。
より子の声「はーい」
ドアが開いて竜太郎の母親伏見より子(39)が出て来る。
より子「杏奈ちゃん。どうしたの? いつもよりもずっと早いじゃない」
杏奈M「私ってどれだけ遅いと思われてるの?」
と苦笑いしつつ、
杏奈「おはようございます。あのー竜ちゃんは………」
より子「あら、聞いてなかった? 今度、練習試合があるからそれまで仲間と一緒に自主練するって、行っちゃったんだけど……」
杏奈「そうだった。忘れてた」
杏奈M「本当だったんだ。アレ。怒って一緒に行かない口実かと思ってた」
〇〇×高等学校・教室
授業を受ける杏奈。
隣の席で教科書を立てて寝ている雪平。
雪平をチラッと見る杏奈。
杏奈M「私と竜ちゃんの仲を引き裂いたのに、気持ちよさそうに……いや、あれは私も悪いのか………でも、待って竜ちゃんだって綾乃って子と一緒だったじゃん。同じ学校だからっていつも一緒にいなくても………それを言ったら昨日の私も同じだ」
頭を抱えて「どーすればいいのー」と心の中で叫ぶ杏奈。
〇同・体育館(夕~夜)
T・「放課後」
バスケ部がパスの練習をしている。
杏奈と穂波がタオルと飲み物を持って話している。
杏奈「練習試合ですか?」
穂波「そう毎年、やってる因縁のライバル高校なの」
杏奈「へぇー。そんな学校があったんですね」
穂波「うーん。最初は違ったみたい」
杏奈「?」
穂波「両校の交友を深めようって目的で新入生の腕試し的なものだったんだけど……あ、時間だ」
と笛を吹く。
バスケ部員たちが休憩でタオルを受け取り、水分補給をしている。
部長(17)、来る。
部長「(杏奈に)話? 聞いた? 練習試合の」
杏奈「因縁の相手なんですね」
部長が苦笑いをする。
部長「うーん。今はそう言われてるみたいだけど………」
杏奈「違うんですか?」
部長「始めは部長同士が同じ中学出身で、入部してすぐに練習試合できないかって話になって、わりと仲良く始まったんだけどな」
穂波「なぜか、今は因縁の相手同士って言われてるのよ」
雪平、来る。
雪平「練習試合の話ですか?
部長「ああ、一年生の腕試しが目的だから頑張れよ」
雪平「任せてください。オレが全員、叩きつぶして見せますよ」
部長「ああ、期待してるよ」
雪平「(仲間に向かって)練習試合、絶対勝つぞ!」
部員たちが「おー!」と腕を上げる。
部長・穂波・杏奈M「あ、これが原因か」
× × ×
ピーッと笛の音。
部長「ボール拾って終了するぞ」
部員たちから「はーい」と返事が返って来る。
杏奈「練習試合って勝ち負けはどうなんですか?」
穂波「勝ち負け」
杏奈「何勝何敗とか?」
穂波「確か、同じくらいだったかな?」
雪平が両手にボールを持って来る。
雪平「今度の練習の応援。しっかしな」
杏奈「分かっているわよ」
雪平が笑ってみせる。
杏奈「代わりに失敗したら許さないから」
雪平「おーこわ」
雪平「それにしても、楽しみだな。□□高校との練習試合」
杏奈「へえ。□□高こ……え?!」
穂波「どうかしたの?」
杏奈「竜ちゃんの高校と練習試合するの!?」

