幼なじみは離れない      【マンガシナリオ】

〇水族館・入り口・前
   伏見、杏奈、綾乃、雪平。
   友人A(=高橋(男))
   友人B(=山中(男))
   友人C(=香取(男)
   クラスメイトA(=星羅(女))
   クラスメイトB(=羽澄(女))
   クラスメイトC(=麻衣(女)がいる。

雪平「着いた」
   と伸びをする。
星羅「(雪平のそばに行く)一緒に回りましょ」
雪平「オレ、サメが見たい」
   と一緒に入って行く。

   羽澄と麻衣が「待って」と二人の後に続く。

伏見「男女の割合は同じなんだけどな………」
   と呟く。

   綾乃の眉間にしわが寄っている。
杏奈「私たちも行きましょう」
   綾乃がにっこりと怖い笑顔で「そうね」と同意する。
   杏奈が気づき「ひっ」と伏見の後ろに隠れる。
   深呼吸してから綾乃が水族館へ入って行く。

杏奈「竜ちゃん。なんか、綾乃さん怖いんだけど」
伏見「雪平が来るって知ってたら来なかったって言ってたからな」
杏奈「二人って仲悪いの?」
伏見「うーん。仲が悪いっていうのとは違うかな?」
高橋「おーい。遅れるぞ」
   と入り口から手を振る。

伏見「今行く。杏奈の手を引いて」行こうぜ」
杏奈「竜ちゃん」
   杏奈は握られた手を見て嬉しそうに顔が赤くなる。

〇同・1F・水槽がある部屋
   親子連れやカップルが水槽を見ている。
   雪平と星羅、羽澄、麻衣がかたまって移動している。
   綾乃がイライラとしながらじっと見ている。
   綾乃と伏見と杏奈の三人が水槽の中の魚を見ていたが、綾乃が視線を雪平達に向ける。
   雪平たちの周りを他の客が避けて通る。
綾乃「他の人の迷惑になってる。私、注意してくる」
   伏見が止める。
伏見「落ち着けって、今日の目的は違うだろう」
綾乃「(息を吐いて)そうだった」
   高橋、山中、香取が不安そうにチラチラと綾乃を見ている。
   雪平たちの笑い声が聞こえてくる。
   綾乃がイラっとして雪平たちを見る。

伏見「眉間にしわが寄ってるぞ」
   綾乃がハッとして額を両手で隠す。
   高橋たちがほっとする。

綾乃「ごめんなさい。無理に連れてきてもらったのに」
伏見「あ、それはこっちも(高橋を見る)助かったから」
綾乃「助かる?」
伏見「いや、人数多い方がいいかと思って」
綾乃「もう気にしないって決めたのに」
伏見「まあ、すぐには無理かもだけど」
綾乃「今日は楽しみに来たのに(頭を振る)……」
   と伏見の腕を取る。
   驚く伏見。

綾乃「じゃあ、あっちを気にしなくてもいいくらい楽しませた」
伏見「え、俺じゃなくても(高橋たちを見る)……」
綾乃「君みたいな冷静な人がいいのよ」
   と腕を取って先に進む。
   伏見が杏奈に口の動きで「ご・め・ん」と伝えると次のゾーンへと消える。
   高橋たち三人も、続いていく。
杏奈「竜ちゃん……」
   と呆然と見送る。

〇同・クラゲの水槽がある部屋
   雪平・星羅・羽澄・舞がかたまって水槽のクラゲを見ている。
星羅「へぇ。すごい。幻想的で素敵ね」
羽澄「こんなに種類があるんだ」
麻衣「でも、なんで水族館って暗いんだろう。私、暗いの苦手なんだよね」
雪平「じゃあ、先に二人で2階に行く?」
   と麻衣にウインクを送る。
   顔が赤くなる麻衣。
   不機嫌そうな顔になる星羅。
   綾乃と伏見が後ろにいる。
   遅れて高橋、山中、香取、杏奈が来る。

綾乃「水族館が暗いのには理由が三つあるのよ」
   雪平たちが振り返って綾乃を見る。

綾乃「一つは、非日常体験の提供。二つ目は、水槽内をよく見えるようにするため、最後の三つめは魚側から人を見えなくするためよ」
   星羅たちが「へぇ」と感心する。
   綾乃は気分よく「ふふん」と鼻を鳴らす。
   雪平は面倒くさそうにジト目で綾乃を見ている。

綾乃「あと、クラゲは脳も、心臓も、血管もないの、なぜなら……」
雪平「ストップ。そうゆううんちくは他でやってくれ」
綾乃「(少しムッとする)………」
雪平「嫌いじゃないけど、昔からお前のそうゆう押しつけがましいところ苦手なんだよな」
綾乃「人がせっかく………」
星羅「(腕時計を見る)二階の水槽のトンネル見に行きましょう。確か、ショーをやってるはずよ」
   と雪平の腕を取る。

雪平「そっちのが楽しそう」
   雪平たち4人が階段へと向かう。

   綾乃が肩を落としてうなだれている。
綾乃「また、やっちゃった」
高橋「いや、すごいためになったよ。なっ」
   と伏見、杏奈、山中、香取に同意を求める。
   みんな、「うんうん」と何度も頷く。
杏奈M「なんか、綾乃さんて………一緒にいると疲れる人?」

〇同・2F・水槽のトンネル
   人が多い。
   ガラスの天井に魚が泳いでいる。
   雪平、星羅、羽澄、麻衣がかたまって上を見ている。
   綾乃、伏見、杏奈の後ろに高橋、山中、香取がいる。
   トンネルを抜けて杏奈が伏見の腕を引っ張る。

伏見「どうした?」
杏奈「(小声)あのね。ちょっと、トイレ」
伏見「あートイレか行って来いよ。ここで待ってるから」
杏奈「大声で言わないで」
綾乃「私も一緒に行く」
杏奈「え」

〇同・2F・女子トイレ
   手を洗う杏奈。
   綾乃が来て隣で手を洗う。

綾乃「あのー杏奈さん」
   杏奈が「なに」と身構える。

杏奈M「なんか、悪い人じゃないけど、付き合いづらそうなんだよな。この人」
   綾乃がハンカチで手を拭いてから、杏奈に向く。

綾乃「いろいろと嫌な思いさせてごめんなさい」
杏奈「え? そ…そ…そんなこと……」

杏奈M「いやな思いって……もしかして……竜ちゃんとのこと?! 今、ここで言うの?」
   と身構える。