明日もきっと、晴れるはず

戦いが終わり、夜の静寂が訪れる。

沖田は新選組の屯所へと戻ったが、そこには安堵と困惑が入り混じった空気が漂っていた。

「おかえり、総司。」

近藤が優しく微笑みながら迎える。

「……ただいま戻りました。」

沖田も微笑みを返したが、隊士たちは言葉を失っていた。

彼の姿は以前と変わらない。だが、彼が「妖狐」になったという事実が、新選組の中で重くのしかかっていた。

「沖田さん……本当に、妖になってしまったのですか?」

沈黙を破ったのは、藤堂平助だった。

彼の瞳は揺れていた。

「……はい。」

沖田は素直に認めた。

「でも、僕は変わりませんよ?今まで通り、新選組の一番隊組長として、戦います。」

だが、隊士たちの間には不安の色が広がっていた。

「妖になった者が、人を守れるのか……?」

「いずれは理性を失って、俺たちに牙を剥くんじゃないか……?」

そんな声が聞こえてくる。

「……っ!」

沖田は拳を握りしめた。

その時――

「くだらねぇこと言ってんじゃねぇ。」

低く鋭い声が響いた。

土方歳三だった。

「てめぇら、忘れたのか?総司は俺たちの仲間だろうが。」

土方は鋭い目つきで隊士たちを睨みつける。

「それとも何か?総司が妖になった途端に手のひら返して仲間外れにするってのか?」

隊士たちは言葉を失い、顔を伏せる。

「……すみません。」

一人の隊士が小さく呟いた。

「そうだぞ!総司は総司だ!」

藤堂が声を張る。

「それに、総司がいなかったら、俺たち新選組はどうなると思ってるんだ!」

「……そうだな。」

斎藤一が静かに言う。

「彼の剣があったからこそ、今まで俺たちは戦えてきた。」

「それは、これからも変わらない。」

その言葉に、隊士たちは少しずつ頷き始めた。

沖田は、土方と斎藤、そして藤堂に感謝の視線を向けた。

「ありがとうございます。」

その瞬間――

ドォォン!!!

屯所の外で爆発音が響いた。

「なっ……?!」

隊士たちが一斉に外へ駆け出す。

夜の闇に包まれた京都の街が、炎に照らされていた。

「何が起きた?!」

「火事か……いや、違う……!」

屯所の門を開けた瞬間――

そこに立っていたのは、異形の妖だった。

巨大な黒い影が、燃え盛る街の中に佇んでいる。

「……新選組よ。我らは"闇ノ徒"。新たなる時代を築く者なり。」

重々しい声が響いた。

「闇ノ徒……?」

沖田が呟く。

「奴らは……妖の中でも最も危険な一派だ。」

斎藤が剣を抜く。

「どうやら、休んでる暇はなさそうだな。」

土方が不敵に笑いながら言った。

沖田は静かに木刀を握りしめる。

(僕は……僕の戦いを続ける。)

妖になっても、新選組の剣士として。

その剣が、人々を守るためにあると信じて。