明日もきっと、晴れるはず


その夜、池田屋の前に集まった新選組の隊士たちは、緊張の空気に包まれていた。沖田は隊士たちの動きに目を凝らしながら、静かに剣を握りしめていた。作戦は着々と進行しており、全員が互いに信頼し、役割を果たすことを決意している様子だった。

近藤勇と土方歳三は、作戦の先陣を切って池田屋の内部へと乗り込む準備を整えていた。沖田はその近くに位置し、二人の背中をしっかりと支える覚悟を決めていた。

「総司。」斎藤一が静かに声をかけてきた。

沖田は振り返り、斎藤の冷徹な顔を見る。「何か、問題でも?」

「お前の力を頼りにしている。」斎藤は言い放つと、そのまま池田屋の門をじっと見つめた。「だが、無闇に動くなよ。お前の力が必要な時には、必ず来る。」

沖田は少しだけ頷き、斎藤の言葉を胸に刻んだ。その冷徹な言葉の裏には、仲間としての信頼と共に、お互いの命を預けるという覚悟があった。

「もちろん。」沖田はしっかりと答え、再び剣を握りしめる。

その時、池田屋の門の向こうから微かに動きが見えた。新選組の隊士たちは、一斉にその方向に目を向け、静かに息を呑む。

「奴らか……。」土方が低い声で呟いた。

次の瞬間、近藤が指示を出す。「全員、突入するぞ!」

沖田は、心の中で覚悟を決めた。自分がこれから進むべき道――人間でも妖でも、どちらの自分でも、この新選組を守るためには戦わなければならない。

新選組の隊士たちが一斉に池田屋の門を突き破り、突入を開始した。沖田もその中に身を投じ、敵の数にかかわらず、自分の力を信じて進んで行く。周囲では、激しい戦闘が繰り広げられていた。刀と刀が交わる音、血の匂いが漂い、戦の恐ろしさがひしひしと伝わってきた。

沖田は冷徹な眼差しで、目の前の敵を次々と倒していった。その姿は、まるで妖狐そのもののように冷静で苛烈だった。妖としての力が、彼女の体の中に湧き上がっているのを感じる。しかし、それでも彼女は迷わなかった。新選組の一員として、仲間を守るためには、どんな手段を取っても戦う覚悟があった。

その時、沖田は目の前に現れた敵を一気に斬り捨てた後、少し離れたところで戦う土方の姿を見つけた。土方は無表情で次々と敵を倒していく。まるで全ての動きが計算され尽くしたかのように、無駄のない戦い方だった。

「土方さん……。」沖田は心の中で呟いた。自分は、この人たちと共に戦っている。そう実感した瞬間だった。

しかし、戦いが進む中で、次第に沖田の胸には不安が広がっていった。戦闘の音、仲間たちの叫び声、すべてが一つに混ざり合い、状況は混沌としていた。

突然、沖田は不意に感じた――背後から迫る気配を。

「来る!」沖田は振り返る間もなく、目の前に現れた敵の刃を弾き、素早く反応した。目の前に立っていたのは、幕府の手先だと見られる武士だった。

「妖狐め! 俺たちが相手だ!」敵は凄まじい勢いで沖田に攻撃を仕掛けてくる。

沖田は一瞬の間に考えた。自分の妖としての力を見せるべきか、それとも人間としての理性を保つべきか。

その瞬間、心の中で一つの答えが出た。

(今は新選組として戦うこと。どんな力を使うべきか、選ぶのは後だ。)

沖田はそのまま、剣を鋭く突き出し、敵を圧倒した。その動きは一切無駄がなく、まるで一つの流れるような舞のようだった。倒れた敵を見下ろし、沖田は深い息を吐き出す。

戦いは続いていた。しかし、この瞬間、沖田は確信した。どんな困難が待ち受けようとも、仲間たちと共に新選組を守り抜く覚悟を、もう一度心の中で固めたのだった。