明日もきっと、晴れるはず

霧狐の目が鋭く光り、空間が歪んだ瞬間、沖田の体が一瞬、重く感じた。だが、彼女はすぐにその感覚を振り払い、再び冷静に立ち向かう準備を整えた。霧狐の力を感じるその瞬間、沖田の心の奥に、忘れられた記憶が掠めた。

「お前の力がどれほど強かろうと、私は負けない。」沖田は声を荒げることなく、ただ静かに言い放った。

霧狐は微笑んだ。その表情には、どこか余裕が漂っていた。

「あなたがどんなに抗おうと、私には勝てない。」霧狐は言い放ちながら、周囲の空気を操り、風を巻き起こした。その風は鋭く、まるで刃のように沖田の周囲を切り裂く。

沖田はその風を瞬時に見極め、身を低くして回避する。剣を一閃させ、風を切り裂いたその先に霧狐の姿はない。彼女は瞬時に位置を変えていた。まるで空間を自在に操っているかのようだ。

「どうだ? お前も私と同じように、全てを見通せる力を手に入れるべきだ。」霧狐は冷ややかな声で言った。

沖田はその言葉に微かに動揺したが、すぐにその感情を押し殺した。

「それが私の望みではない。」

沖田は剣を構え直し、再び霧狐を見据えた。霧狐の力が強大であることは分かっていたが、沖田もまた決して負けるわけにはいかないという思いが強くなっていった。

霧狐が再度、手をかざすと、空間がますます歪み、周囲の風がさらに強くなった。沖田はその風を感じながらも冷静に判断を下す。

「私には守るべきものがある。それだけだ。」

その言葉を発した瞬間、沖田は全力で霧狐に向かって駆け出した。刃の先に見える霧狐の姿をしっかりと捉え、風を突き抜け、まっすぐに斬りかかる。

霧狐はその一撃を避けることなく、逆に腕を伸ばし、沖田の剣を受け止めた。しかし、その瞬間、沖田の目が鋭く輝き、剣に込めた力が強まった。

「――無駄だ。」霧狐が冷徹に言い放つ。

だが、沖田はその言葉に揺るがなかった。今の自分が誰であり、何を守るべきかを、確信していた。

霧狐の腕を受け止めた瞬間、沖田は反転し、すぐさま霧狐の隙間を突いて一閃。刃が霧狐の肩を掠める。その一瞬で霧狐は足元を崩し、後退する。

「――なかなかやるではないか。」霧狐は少しだけ驚きの表情を浮かべるが、そのすぐ後に冷たい笑みを浮かべた。

「だが、それでも私はお前を超える。」

沖田はその言葉にただ黙って頷いた。その時、沖田の体が微かに震えた。霧狐の力に圧倒されているわけではない。むしろ、自分がこれまで抑え込んでいた力を、少しずつ解放しているような感覚を覚えた。

――私は、私であるために戦う。

その覚悟が沖田を一層強くさせた。霧狐は再び沖田に向かって力を放とうとしたその瞬間、沖田の眼前に、真の決意が灯った。

「――お前に譲ることはない。」沖田はその一言を発し、全力で駆け込むと、霧狐が放つ力に全身を賭けて立ち向かう。

剣の一撃が霧狐の力を打ち破り、ついにその衝撃で霧狐の姿が崩れ始めた。沖田はその瞬間を見逃さず、もう一度、全力で斬り込む。

「――私の道は、私が決める。」

その刃は、霧狐を完全に打ち破った。霧狐の姿は、あっという間に霧のように消え去り、周囲の空気は再び静まり返った。

沖田はその場に立ち尽くし、深く息を吐いた。周囲の風も、どこか穏やかに感じるようになった。

――自分の中の何かが、少しずつ変わった気がする。

沖田は剣を静かに収め、しばらくその場で立ち尽くしていた。どこかから聞こえてきた、足音とともに。

その足音の主は、仲間たちだった。