明日もきっと、晴れるはず

「長州の攘夷志士と手を組むとはな……」

土方歳三は忌々しげに桂小五郎を睨んだ。
普段なら絶対に共闘などありえない相手。
だが、今は敵が "幕府" なのだ。

「……勘違いしないでくださいよ、土方さん。」

桂は冷静に言った。

「私はあなた方を助けに来たわけではない。幕府が妖を利用している――その事実を、私自身の目で確かめに来たのです。」

「チッ……好きにしやがれ。」

土方は舌打ちすると、改めて刀を構えた。
目の前にいるのは、"不死の呪い" を受けた幕府の妖兵たち。

「総司、大丈夫か?」

斎藤一が横目で沖田を見る。
彼の身体はまだ完全に妖狐化したわけではないが、その妖気は明らかに異質なものに変わっていた。

「はい、大丈夫です。」

沖田は小さく微笑むと、木刀を握り直した。
その目は、戦う覚悟を決めた剣士のものだった。

「では、始めましょう。」

桂が呟いた瞬間、戦場は再び混沌へと突入した。

戦場の狂宴
「……ちょこまかと鬱陶しいですね。」

幕府の黒衣の男が手をかざすと、妖兵たちがさらに増殖し始める。

「増えた……?!」

「ふふ、不死の呪いだけではありませんよ。"増殖の術" もかけてあります。」

黒衣の男は嘲笑する。

「これではいくら斬っても意味がない……!」

土方が奥歯を噛む。

「……なら、増殖する前に一撃で消し飛ばせばいいんですよ。」

沖田が静かに言うと、目を閉じ、息を整えた。

「総司?」

近藤が呼びかけたその瞬間――

「はぁぁぁっ!!」

沖田の木刀が、一閃した。

――ドォン!!!

まるで爆発のような衝撃と共に、妖兵の一群が一瞬にして吹き飛ばされた。

「な、何だと?!」

黒衣の男が驚愕する。

「まさか……妖狐の力を使ったのか?!」

土方たちも驚いた。
沖田の身体から、うっすらと "紅蓮の炎" が立ち昇っていた。

「……これが、大狐の力……?」

沖田自身も、自分の変化に驚いていた。
彼は確かに "人間" だったはず。
だが今、彼の身体には "妖狐の血" が流れている。

「……やるじゃないか。」

桂が興味深そうに微笑む。

「……総司、もう人間には戻れねぇかもしれねぇぞ。」

土方が低く呟いた。

「……えぇ、それでも。」

沖田は静かに微笑むと、再び木刀を構えた。

「僕は新選組ですから。」

その言葉に、一瞬だけ土方の表情が歪んだ。
だがすぐに、険しい表情で頷く。

「――いいだろう。俺たちは "人斬り" だ。 たとえ総司が妖になろうが、最後まで戦い抜くのみだ!!」

「「おおおおお!!!」」

新選組隊士たちが雄叫びを上げ、戦場へと突撃していった。

「……さて、私も参戦しますよ。」

桂が軽く刀を振るうと、一瞬で数体の妖兵が斬り伏せられた。

「ふふ……面白い展開になってきましたね。」

黒衣の男は不敵に笑う。

「では、"本気" を見せましょうか。」

次の瞬間――

彼の身体が、黒い霧 に包まれた。

「何……?!」

「まさか……お前も "妖" なのか?!」

土方が叫ぶ。

「ふふふ……そうですよ?」

黒衣の男は "漆黒の翼" を広げると、不敵に笑った。

「私は、"幕府直属の妖" ですからね。」