夜の京都に響く、鋼と鋼のぶつかる音。
「チッ……しぶとい連中だな!」
土方が妖の一体を斬り伏せるも、それは地面に溶けるように消え、また別の場所で姿を現した。
「これじゃキリがねぇ!」
「斬ったらすぐに燃やすんです!」
沖田の声が響く。
彼の木刀には、狐火の炎が揺らめいていた。
妖狐の力――それは、ただの妖とは違う特別な業火。
「燃えろ!」
沖田が振るった刹那、炎が空を裂き、妖を包む。
「ギャアアアア……!」
断末魔を上げながら、妖が炭のように崩れ落ちた。
「……なるほどな。」
闇ノ徒の一体が、興味深げに沖田を見つめた。
「貴様の炎……どうやら、我らの再生を阻むものらしい。」
「へぇ、なら話が早いですね。」
沖田はにこりと微笑む。
「この炎で、全部焼き尽くしてあげます。」
一瞬で間合いを詰め、木刀を振るった。
「チィ……!」
闇ノ徒は後退するも、その体を狐火が追いかける。
「ははっ、やっぱり逃げられませんね。」
沖田の動きは、すでに人間の領域を超えていた。
「おもしろい……!おもしろいぞ、沖田総司!」
闇ノ徒の中央に立つ、一際大きな影が笑った。
「……お前は?」
土方が警戒の色を強める。
「名乗るほどのものではないが――」
妖は冷たい視線を沖田に向ける。
「今夜は、貴様の力を試させてもらう。」
妖狐 VS 闇ノ徒の将
次の瞬間――
妖が五本の漆黒の爪を振るった。
ズバァァッ!
「くっ……!」
沖田は咄嗟に跳躍し、爪を回避する。
しかし、着地した瞬間、異変に気づいた。
「……足が……?」
大地に触れた部分から、黒い瘴気が絡みつく。
「……毒か!」
「フッ……貴様が妖になろうと、本質は人間。瘴気には耐えられまい。」
「……それはどうですかね。」
沖田は足元の瘴気を見つめると――
次の瞬間、その体を炎で包んだ。
ゴォォォォ!!
狐火が黒い瘴気を焼き払い、沖田はふわりと着地する。
「ふぅ……やっぱり、この炎は便利ですね。」
「……!」
妖が初めて、驚きの表情を見せた。
「さて――」
沖田は木刀を構え、妖を見据える。
「次は、僕の番ですよ。」


