牢の中で昨夜は一睡もしていないという泣きじゃくるキャンディスを、城に用意されている自室にまで送り届け、彼女の上司には私から色々と説明した。
そして、理由なく無断欠勤になってしまっていた女官の仕事も、どうにか辞めさせられずに済んだ。
キャンディスの問題を解決してから、とりあえずウィリアムの居る離宮に戻ろうと廊下を歩き出した私の前に、なんとモニカには見覚えのあるエレインの侍女が現れた。
こんな場所で会うなんて珍しいと思い、会釈して通り過ぎようとした私に、彼女は小走りで近づいて来た。
「あ。モニカ様。探しましたわ……」
「え? あ……ええ。何の用かしら?」
モニカ・ラザルスは、エレインの取り巻きの一人。
最近は私もお針子修行などがあり、彼女の傍に居ない時は多かったけれど、お茶会や夜会などでは、いつものように取り巻きとしての役目を果たしていたはずだ。
エレインもたまにウィリアムの様子を確認して来たけれど、それも、いつものことと言えばそうだった。
「エレイン殿下が、モニカ様をお呼びですわ」
「……エレイン様が?」
こんな風にエレインが取り巻きの私を呼び出す理由も思い浮かばず、私は大人しく案内してくれる彼女の後をついて行くしかなかった。
そして、理由なく無断欠勤になってしまっていた女官の仕事も、どうにか辞めさせられずに済んだ。
キャンディスの問題を解決してから、とりあえずウィリアムの居る離宮に戻ろうと廊下を歩き出した私の前に、なんとモニカには見覚えのあるエレインの侍女が現れた。
こんな場所で会うなんて珍しいと思い、会釈して通り過ぎようとした私に、彼女は小走りで近づいて来た。
「あ。モニカ様。探しましたわ……」
「え? あ……ええ。何の用かしら?」
モニカ・ラザルスは、エレインの取り巻きの一人。
最近は私もお針子修行などがあり、彼女の傍に居ない時は多かったけれど、お茶会や夜会などでは、いつものように取り巻きとしての役目を果たしていたはずだ。
エレインもたまにウィリアムの様子を確認して来たけれど、それも、いつものことと言えばそうだった。
「エレイン殿下が、モニカ様をお呼びですわ」
「……エレイン様が?」
こんな風にエレインが取り巻きの私を呼び出す理由も思い浮かばず、私は大人しく案内してくれる彼女の後をついて行くしかなかった。



