【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

 とてもお恥ずかしながら……というしおらしい態度で、私は衛兵たちの上司である騎士団長へと嘘の事情を話すことが出来た。

 騎士団長からは『若いうちは会いたい気持ちは止まらないものですよ。私だってそうでした』という、良くわからない共感を受けて、これから先はこういう事態が絶対に起こらぬようにと、固く約束させられた。

 そして、ウィリアムの目論見通りに、衛兵に捕えられていたキャンディスは解放されることとなった。

 牢から解放される時、私に抱きついてきたので、安心させるように背中をポンポンと叩いた。

「モニカ様! ほんっとうに……ほんっとうに、ごめんなさいでしたーっ……うっ……うっ……一人しか居ないって言っても、留置所なんて、暗くてじめじめして、こわくってえ……」

「そうね……もうこれからは絶対に、勝手なことはしては駄目よ。キャンディスさん」

 しくしくとなきべそをかいた彼女を抱きしめた私はしみじみとそう言って、キャンディスも流石に今回はやらかしたという自覚があるのか、何の文句も言わずに頷いた。