【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

 本当ならばこの頃は身だしなみもろくに出来ずに、キャンディスから教わるはずだけど、仕事の出来る山下さんならぬモニカが既に生活指導をしていて、髪も服もどこに出しても恥ずかしくないくらいに調えられていた。

 きっと……すぐに私と、打ち解けてくれると思っていた。

 小説の中では、キャンディスとウィリアムは話す内に親密度が高まっていく。

 私が幾度となく話し掛けているうちに、つっけどんな物言いはなくなり、優しいウィリアムになるのだろう。

 ……けれど、安易な私の思惑は外れてしまい、ウィリアムが口にすることと言えば、悪役令嬢モニカのことだけ。

「おい。いい加減にしろ。あいつはどこに行ったんだ!」

 なんなの。やだ。ウィリアムって、怖い。

 最初は関係はあまり良くないところから始まるけれど、そんな風に親の仇を見るような目で見なくても良いでしょ……機嫌良く話し掛けただけなのに。

 苦々しい表情で荒っぽく問いかけられて、私はしどろもどろになりながら答えた。

「えっ……やまっ……モニカ様は色々と忙しいから、ウィリアム様のお世話は私に任せると……」