「あら。これは、言ってませんでしたね……ウィリアム様が王太子としての誓いを行う、立太子の儀式の、儀礼服を作るのですわ」
「……どういうことだ? 王室専属のお針子がそれは、作成するはずだろう?」
「いえいえ。ウィリアム様は何も心配することはありません……そう言ってあったでしょう?」
引き裂かれる運命にある儀礼服の代わりを、私は用意することにしていた。
密かに動くダスレイン大臣の手の者の犯行を完全に止めることは、使える人を限られている私には難しい。ならば、儀礼服は引き裂かれたと見せかけて、もう一着用意すれば良い。
彼らは自分たちの企みが上手くいったと思えば、こちらにその対策があるなんて思わずにすっかり油断してしまうだろう。
「まあ、お前がやりたいようにしてくれ……」
ウィリアムは私がサイズを書いた書き付けを整理しているのを見てから、ふてくされたように本を開いてソファへと寝っ転がった。
◇◆◇
「……モニカさんが入ってから、本当に助かっているよ。仕事の覚えも早いし、段取りも良いねえ。うちも初めての支店を作って、モニカさんに暖簾分けでも考えようかねえ」
「……どういうことだ? 王室専属のお針子がそれは、作成するはずだろう?」
「いえいえ。ウィリアム様は何も心配することはありません……そう言ってあったでしょう?」
引き裂かれる運命にある儀礼服の代わりを、私は用意することにしていた。
密かに動くダスレイン大臣の手の者の犯行を完全に止めることは、使える人を限られている私には難しい。ならば、儀礼服は引き裂かれたと見せかけて、もう一着用意すれば良い。
彼らは自分たちの企みが上手くいったと思えば、こちらにその対策があるなんて思わずにすっかり油断してしまうだろう。
「まあ、お前がやりたいようにしてくれ……」
ウィリアムは私がサイズを書いた書き付けを整理しているのを見てから、ふてくされたように本を開いてソファへと寝っ転がった。
◇◆◇
「……モニカさんが入ってから、本当に助かっているよ。仕事の覚えも早いし、段取りも良いねえ。うちも初めての支店を作って、モニカさんに暖簾分けでも考えようかねえ」



