「言いたいことは、はっきりと言え。お前は本当に、必要なことは何も言わない。あのメイドについてもだ! あの女とくっつけようという魂胆だったというのは、見え見えで理解しているが、俺には全くその気はない。本人の許可も得ずにあのようなことを……! 今後は、一切ないようにしてくれ」
やっぱり、ウィリアムが怒っていると、黒猫がシャーッと威嚇しているように見える……どうしてかしら。あの纏まらないくせっ毛が、なめらかな猫の毛のように、あまりに手触りが良すぎてしまうせいかしら。
ウィリアムが纏う空気が、人慣れのしない、孤独な野良猫のようだからかもしれない。
「はい。ウィリアム様……もちろんですわ」
面白くなさそうな表情で腕を組むウィリアムに、私は微笑んで頷いた。
今年晴れて成人となる王太子ウィリアムは、母が亡くなってから、婚約者モニカ以外の人とは、ろくに話したことがない。
そんな悪役令嬢モニカからは、終わりなく蔑むような言葉を投げつけられていた。
そして、中身がすっかりと変わり一人だけ事務的ではない日常会話の出来る私一人だけを、特別視をしてしまうのも無理のないことだわ。
やっぱり、ウィリアムが怒っていると、黒猫がシャーッと威嚇しているように見える……どうしてかしら。あの纏まらないくせっ毛が、なめらかな猫の毛のように、あまりに手触りが良すぎてしまうせいかしら。
ウィリアムが纏う空気が、人慣れのしない、孤独な野良猫のようだからかもしれない。
「はい。ウィリアム様……もちろんですわ」
面白くなさそうな表情で腕を組むウィリアムに、私は微笑んで頷いた。
今年晴れて成人となる王太子ウィリアムは、母が亡くなってから、婚約者モニカ以外の人とは、ろくに話したことがない。
そんな悪役令嬢モニカからは、終わりなく蔑むような言葉を投げつけられていた。
そして、中身がすっかりと変わり一人だけ事務的ではない日常会話の出来る私一人だけを、特別視をしてしまうのも無理のないことだわ。



