【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

 私はウィリアムに対し、これをどう説明すれば良いかと考えた。けれど、咄嗟に唇をこぼれ落ちたのは、こんな言葉だった。

「……貴方を幸せにすることが、私の役割だったんです」

 そうだった。

 このまま、不幸の渦へと墜ちていく人を、ただ見ているだけなんて、そんなことはとても出来なかったから。

「……だった? 何を言っているんだ! 俺の幸せは、お前が決めることではない。そうではないのか……」

「そうです……そうですが、でも……あっ」

 思わず言葉を止めてしまったのは、悔しそうに顔を歪ませたウィリアムが、ぽろぽろと涙を流していたからだった。

 どうして……私は孤独だった彼を、幸せに出来たはずで……。

「お前は……お前は、本当に酷い。突然こんなに優しくして親身になってくれたというのに、ここで俺を見捨てるというのか」

「それはっ……決して、そうではありません!」

 焦った私がウィリアムの元まで慌てて行くと、私の手を掴んで私に言った。

「俺はお前が好きなんだから、ここでお前が居なくなると不幸になるぞ! それはお前のしたかったことなのか?」

 ……息が止まるかと思った。