【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

 これって……この異世界にはない慣習なのよ。こうして、男性が跪いて指輪を嵌めてくれるなんて。

 確実に、キャンディスさん……もとい、竹本さんの指導が入っているわ……確か、私……彼女に言ったかもしれない。

 こうされて求婚(プロポーズ)されることが、ずっとずっと夢だったって。

 ……あの何気ない言葉を、竹本さんは覚えていてくれたの?

「……嬉しいです。その、とっても、嬉しいんですけど」

「何が不満だ? 君と彼女が好きな物語は、こういうしきたりのある世界感と聞いたが」

「そっ……そうですね。ええ。それは、そうなのですけれど」

 ウィリアムの言葉を聞いた私は、思わず顔が引き攣りそうになった。

 また、この後に響きそうな適当な設定を考えて!

 竹本さんったら!

 ……けど、私にとってすっごく嬉しいことをしてくれたから、それはもう水に流すこととする。

 なんとでもなるわ。きっと。