可愛らしく頭を下げ、去っていく姿が可愛すぎる。
……放ったらかしにされていたあの時が、今となっては思い出せないくらいだ。
「あの……ウィリアム様。どうやってこの離宮を出られたんですか?」
私はこれを、ずっと疑問に思っていた。
今のところウィリアムは暫定処置として、婚約者の私と一緒であれば外出することが許されている。
もし、一人で勝手にどこかに行こうとしたら、最近めっきり目が生き生きしてきたあの門番が止めるはずなのに。
「ああ。以前に僕の離宮へキャンディスが、潜入しようとしたことがあっただろう? モニカが居なくなったと騒ぎになったので、あの女官を呼び、彼女に抜け道を聞く事にしたんだ。僕自身もここに住まわされているが、逃げてはいけないと思われていたのか、抜け道がどこにあるかは知らなかったからな」
「まあ……そうなのですね」
なんだか、不思議……とんでもない事になってしまったキャンディス離宮潜入事件が、今ここで役に立ったなんて。
「しかし『ヤマシタサン』とは、いったい何なんだ。君の友人は……その、少々……変わっているようだが」
……放ったらかしにされていたあの時が、今となっては思い出せないくらいだ。
「あの……ウィリアム様。どうやってこの離宮を出られたんですか?」
私はこれを、ずっと疑問に思っていた。
今のところウィリアムは暫定処置として、婚約者の私と一緒であれば外出することが許されている。
もし、一人で勝手にどこかに行こうとしたら、最近めっきり目が生き生きしてきたあの門番が止めるはずなのに。
「ああ。以前に僕の離宮へキャンディスが、潜入しようとしたことがあっただろう? モニカが居なくなったと騒ぎになったので、あの女官を呼び、彼女に抜け道を聞く事にしたんだ。僕自身もここに住まわされているが、逃げてはいけないと思われていたのか、抜け道がどこにあるかは知らなかったからな」
「まあ……そうなのですね」
なんだか、不思議……とんでもない事になってしまったキャンディス離宮潜入事件が、今ここで役に立ったなんて。
「しかし『ヤマシタサン』とは、いったい何なんだ。君の友人は……その、少々……変わっているようだが」



