【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

 お互いに譲れる線はここまでだと息をついた私は、同じように呆れたように言ったウィリアムの言葉に渋々頷いた。


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 王都の近くにある、隠された金鉱山。

 それほど大きな山ではないけれど、人里に近いそんな場所にある金鉱山は気が付かれていない訳でなくて、それを知っていた昔の王族にひた隠しにされていたのだ。

 金は宝飾品として細工しやすい金属で、世界中、ほとんどの地域でどこでも貴重品とされている。

 通貨の代わりにもなる。

 それに、魔除けの効果だってあるとされていて、この異世界では、とても価値が高かった。

 けれど、金は錬金術で簡単に作れるものではなく、地中の埋蔵量には限りがある。

 だから、付加価値を付けなくとも、延々価値が上がり続けている。私も投資をするなら金を選ぶもの。

 金鉱山の存在を発見当初隠したのは、英断だったと言える。

 それほどの価値のある金山を巡って、王族では血みどろの争いが起きただろうし……。

 いえ。小説の中では王位簒奪を巡る血みどろの争いが起きて、それを解決するためにこの金山は使われたのだから、ウィリアムのご先祖様も、それで良かったと……きっと、思ってくれるはずよ。