私は言いたいことはこれでもう終えたとばかりに、身を翻しその場を去ろうとした。その時、ヒュッと風を切る音がして、私は温かな何かに包まれた。
「っ……ウィリアム!」
狙われた私を庇ったらしいウィリアムの腕には、一筋の傷。地面を見れば、小さなナイフが突き刺さっている。
「おい。何をする」
ウィリアムの怒りが籠った声……まさか、オブライエン一家が今まで開かれなかった扉を開けてくれたというの!?
「……お前。モニカ・ラザルスだろう。噂は聞いている。婚約者である王太子ウィリアム様を、虐げ酷く虐めているとか。そのような者の依頼は、絶対に受けない」
初めて空いた扉の中には、黒い影があり顔は見えない……出て来たのは、若い男性のようだ。
「それは、誤解だ。俺がその、王太子ウィリアムだ」
庇ってくれたウィリアムはあろうことか、変装用に被っていたフードを取り、暗殺一家の一人と対峙していた。
彼の高貴な育ちの良さは、どうしても隠しきれない。王の血統を引く人物であると、ひと目見ればわかってしまう。
「ウィリアム様……!」
「っ……ウィリアム!」
狙われた私を庇ったらしいウィリアムの腕には、一筋の傷。地面を見れば、小さなナイフが突き刺さっている。
「おい。何をする」
ウィリアムの怒りが籠った声……まさか、オブライエン一家が今まで開かれなかった扉を開けてくれたというの!?
「……お前。モニカ・ラザルスだろう。噂は聞いている。婚約者である王太子ウィリアム様を、虐げ酷く虐めているとか。そのような者の依頼は、絶対に受けない」
初めて空いた扉の中には、黒い影があり顔は見えない……出て来たのは、若い男性のようだ。
「それは、誤解だ。俺がその、王太子ウィリアムだ」
庇ってくれたウィリアムはあろうことか、変装用に被っていたフードを取り、暗殺一家の一人と対峙していた。
彼の高貴な育ちの良さは、どうしても隠しきれない。王の血統を引く人物であると、ひと目見ればわかってしまう。
「ウィリアム様……!」



