超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「部屋まで送ってやるよ」

夕食を食べ終わるとシンは言った。

「え!?なんで?」

驚くテラス。

「1人で歩いてたら、また陰険女たちに絡まれるかもしれねーだろーが」

「大丈夫だよ。もう部屋に帰るだけだし、走って逃げるから」

「そーなんだろーけど。送らないで、あの司書にまたつまんねー言いがかりつけられても迷惑だからな」

「は~、シンが親切だと、変な感じ」

「ああん?喧嘩売ってんのか?」

「ううん、単なる感想」

食器を片付けると、2人は食堂を出た。
廊下を歩いていると、すれ違い様に知らない女の子にヒソヒソと嫌味を言われた。
シンが睨むと、女の子はさっと目を逸らして黙ったが。

「嫌がらせのこと、言った方がいいと思うぜ。俺は」

もう一度テラスに忠告するシン。

「やっぱりそういうもの?」

「ああ。こんなあからさまじゃ、テラスが言う前に色男にバレるんじゃねーの?」

「う~ん、そうかも」

「だろ?いつの間にか知られるくらいなら、自分で言った方がいーだろが」

「本当だね」

テラスはまじまじとシンを見る。

「なんだよ」

「シンがまともなこと言ってるのが珍しい」

「アホか」

「明日、アンセムに言ってみようかな」

「ああ。図書館の出入りも気をつけろよ。
キャンキャンうるせー女で溢れたら、俺も超迷惑だからな」

「うん」

そんなことを話している間にテラスの部屋の前に着いた。

「シン、ありがとね」

テラスが素直に礼を言うと、シンはむすっとして顔をそむけた。
照れているのだ。

「じゃーな」

そのままテラスの顔を見ずに、シンは片手を上げて立ち去った。