超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「シン、カイさんに呼び出されたの?」

「そーだよ。あいつ、本気でいつも偉そうだよな。でーーっきらいだ」

「でも、カイさんはシンのことを気に入ってるのかも」

「はぁ!?」

「カイさんは、少なくとも嫌いな人には自分から話しかけたりしないんだよ。ましてや電話なんて」

「そりゃ、テラスのためだからだろ」

声を潜めて言うシン。

「え?なんで私?」

「テラスが女たちから嫌がらせ受けないように、俺を護衛につけたんだよ」

「ええ!?」

「さっき図書館の周りにいた女共、あの色男のファンとかじゃねーの?」

「さ、さぁ…」

「そういう女に気付かれねーよーに、あの色男と隠れて会ってたんだろう?でもバレたんじゃねーの?」

「どうかなぁ」

「なに、のんびりしてんだよ」

シンはテラスの頭を小突く。

「痛いなぁ…」

「もしあの女共がテラスに付きまとって、あの色男が図書館によく出入りしてることが知れ渡ったら、相当図書館の治安悪くなるだろうな」

「あ…」

その発想はなかった。
そうなのだ。度々アンセムが図書館を利用することは、実はほとんど知られていない。
それくらい、図書館を利用する寮生は限られている。
知られていないからこそ、快適に図書館を利用することができていたのだ。
知れ渡って、アンセムのファンが押しかけたら?
想像するだけで、げっそりとしてしまうテラスである。