超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「あれ?シン、今来たの?」

そこへテラスが戻ってきた。

「ああ、しかしもう閉館だ。おまえたちが最後だ。僕も今日は早く帰りたいから、急いでくれ」

シンが何か言う前に、カイが答える。

「呼び出しといて、帰れってどーゆーことだよ!」

カイに詰め寄るシン。

「カイさんが呼び出した?」

「いいから、さっさと2人で帰れ。僕も一緒に出よう」

そう言うと、カイは自分の荷物と図書館のカギを手に取り、カウンターから出てきた。
シンはまだまだ文句が言い足りないが、カイの意図をなんとなく理解し、とりあえず飲み込むことにする。

「あの、カイさん、この本の貸し出し、今日はもう間に合わないですか?」

手にした本を見せるテラス。

「ああ、大丈夫だ。カードだけ預かっておこう。手続きは明日やるから、持って行っていいぞ」

そして貸し出しカードをテラスから受け取ると、カイは2人の背を押して図書館から出た。
フウカたちがパッと3人に注目する。
何食わぬ顔で図書館のカギを閉めるカイ。
カイが自分を呼んだ理由がハッキリわかったシン。
そんな2人の思惑に気付かず、とりあえずフウカたちからの追求を受けずに済みそうだと安堵するテラス。

「じゃぁ、僕はこっちだから。テラス、気をつけて帰るんだぞ。シン、きちんと部屋まで送れよ」

「お疲れ様でした」

ペコリとお辞儀するテラス。

「………」

命令されることが気に食わず、無言を貫くシン。
そして2人はカイと別れ、寮に戻ることにした。