超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「あーさっぱりした」

「今日アンセムは?部屋にいなかったわよ」

「え?電話したの?」

「そう。だって相談した方がいいに決まってるじゃない」

「アンセムに言うの?」

「当たり前でしょう」

「アンセム、知ったらまた元気なくなるんじゃないかなぁ」

「そんなこと言ってる状況?」

アイリは呆れた。

「う~ん、でも今日ちょっと嫌がらせされただけだし、このまま続くかどうかわからないし、もう少し様子見ていいんじゃないかなって思うんだ」

「そんな悠長な…。
今以上に人目に気をつけなきゃならないじゃな。アンセムと会う場所なくなっちゃうわよ」

「いいよ。部屋に行くから」

ポツリと呟くテラス。

「わお!また行き来するようになったの?もしかして、この前私たちと押しかけてから?」

アイリはパッと表情を輝かせた。

「いや、あれから行ってないけど」

「なんだ。ガッカリ」

「でも、行ってもいいかな~なんて」

「へ~。何?あの夜やっぱりなにかあったの?」

アイリはニヤニヤしながら聞いた。

「ううん、ぐっすり寝ちゃっただけ。でも、部屋に行くことを、そんなに拒む必要はなかったのかなって思ったんだ」

「それって、ついに最後までOKってこと?」

「え…いや、それはまだちょっと…」

表情が固まるテラスを見て、アイリは心の中だけでアンセムにエールを送る。

「ま、それでも部屋に行くってんだから、成長よね。
アンセムに話すかどうかはテラスに任せるけど、私が特に用がないときは、また一緒に行動するからね」

「ええ~、いいよ。悪いし」

「メンドクサイだけでしょ」

「そうだけど」

「認めるな」

「ごめんなさい」

ふぅ、とアイリはため息をつく。

「テラスはピンと来ないかもしれないけど、女の嫉妬って恐いのよ。陰湿なことする女はとことん陰湿なんだから。
様子を見るのはいいけど、酷くなってきたらテラスがダメって言ってもアンセムに言うからね」

詰め寄られてテラスはタジタジである。

「うん…。ありがと、アイリ」

だけど、アイリの心遣いはとても嬉しかった。