超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「ば~か。そうじゃねーっつってんだろ」

「うっるさいわねー。バカだから教えてもらってるんでしょ」

カイが部屋を出ると、ナミルとシンのやかましい言い合いが聞こえてきた。
遠くから面白そうに傍観するカイ。

ナミルは言い返しつつ、それでもシンの指導に必死にしがみついていた。
シンはグサグサとキツイ言葉で攻撃してくるが、教え方はとてもわかりやすい。正直、授業を聞くよりずっと理解できた。
シンは頭が良すぎるせいか、途中の解釈を思いっきり端折って説明することも多いが、細かく質問すると丁寧に詳細まで解説してくれるのだ。

「ねぇ、さすがに疲れてきたわ…」

ナミルが休憩を求めようと目線を上げると、アンセムが視界に飛び込んできた。
部屋で作業の準備を整えたアンセムは、本を乗せた荷台を押してカウンターから出てきたところだった。

「音を上げんの早すぎだろって…おい!」

シンの声で我に返る。
アンセムから目が離せなかったのだ。

「なによ」

「教えてもらってる分際で上の空ってどーゆーことだよ」

そこでシンの視界の端にもアンセムが目に入った。
アンセムは荷台を押して図書館の奥へ行き見えなくなった。