超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「テラスがオレを好きになってくれたってことはわかるんです。
でも、気持ちの大きさというか、あまりにあっさりしているので、自分ばかりが一方的にテラスを追っているような気分になることがあります」

「そうか」

「テラスなりに最大限オレに応えようとしてくれているのは頭では理解できるけど、
実際には、それでは足りないって思ってる自分がいるんです」

アンセムは書類を手に取り、眺めた。
面と向かってカイに相談するのは少し気が引けた。

「毎日が葛藤ですよ。そして、結局暴走して泣かせてしまうこともあります」

「なるほど。それはしんどいな」

「そうですね…。テラスの性格を知っているから、仕方ないと思うようにしているんですけど。
でも、しんどいばかりじゃないですよ。テラスと過ごす時間は最高ですから」

「そうか」

カイは笑顔になる。

「そういう相手は、なかなか出会えるもんじゃない。テラスを大切にしてやれよ」

「言われるまでもないです」

「後は、スキンシップだけで相手の愛情を測ろうと思うな」

いきなり図星を突かれて、アンセムは言葉に詰まった。

「テラスの気持ちを見逃すことになるぞ」

「……はい」

絞り出すように返事をするアンセム。

「ま、子孫繁栄は義務だから、そのうちできるだろ。じゃ、よろしく頼むぞ」

そして、カイは部屋を出て行った。