超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

(ちっ!先客がいるのか)

何気無く置かれていた本を見る。生物学の生命原理だった。

(あの馬鹿女か?)

じゃ、気を使うこともないだろう。
シンはすぐ隣の席に座って読書を始めた。

「なんでアイツがいるのよ」

やっと本を選んで戻ったナミルは、自分が座っていた席の隣にシンを見つけて思わずぼやいた。
ナミルは席に戻ったが、シンは見向きもしない。

(無視!?)

一瞬不愉快になったが、そうではなく、集中して本を読んでいるため自分に気付かないんだということが、シンの真剣な表情からわかった。

(今のうちに移動しちゃお)

シンの隣で勉強する気になれないナミルは、机の上の片づけを始めたが、その音で気づかれてしまった。
シンはチラっとナミルを一瞥しただけで、すぐに視線を本に戻す。

(絡まれる前に離れなきゃ)

急いで本を手にしたナミルだったが…。

「おまえ、またとんちんかんな本選んでんのかよ」

視線は本に向けたまま、シンが声をかけてきた。

「な、なによっ!シンには関係ないでしょ!」

ムッとするナミル。
シンは怒るでもなく、読んでいた本を閉じて机の上に置いた。

「どこでつっかかってんだ?
ここでひっかかると、先進んだときに超苦労するぜ。生命原理はどの専門に進んでも基礎中の基礎だからな」

「うっ…」

言い返せないナミル。
関わりたくないのだが、今まで以上にこの生命原理の分野は理解不能で、何とか初歩はシンが選んだ本で飲み込めたが、応用は「全てわけわからない」状態なのだ。