超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「テラス、おいで」

向かいのソファに座るテラスに手を差し出すアンセム。

「え!?なんでっ!」

「イヤなら無理は言わないけど」

と言いつつも、アンセムは差し出した手を引っ込めるつもりはない。
ここは頑張りどころなのだろうか。
一瞬迷ったが、テラスは席を移動した。
アンセムに手を差し出し、隣に誘導される。

(ああ、心臓がドキドキする…)

横に座ってくれたテラスを、アンセムは満足気に見つめた。

「オレに触っていいよ」

「は!?」

「触りたかったんだろう?テラスになら、いくらでも。むしろ嬉しいよ」

「いえ、いいです…」

「そう言わないで。オレは動かないから」

「ごめん。私が悪かった。勘弁して」

降参するテラス。
アンセムはガッカリしてため息をついた。
しかし、次の瞬間瞳が意地悪く光る。

「じゃ、オレがテラスに触れよう」

「なんでそうなるの!?」

テラスは慌てた。

「どっちがいい?」

「なんで二択?誤魔化されないんだから」

「それはオレに選択権を委ねるってことでいいかな?」

「ダメ!」

そう言われてもお構いなくアンセムはテラスに手を伸ばした。

「わ、わかった!わかりました!私が触るほうになるっ!」

ピタっと手を止めるアンセム。

「そりゃ残念だ」

そしてニッコリと笑う。

(ハメめられた…!)

そんなこと思っても今更なのである。