超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「!!」

驚いて硬直するテラス。

テラスが布団を駆けてくれたときに、アンセムは目を覚ましていた。
けれど、テラスがその後どんな行動をするのかが知りたくて、寝たふりを続けていたのだ。
ウロウロと動く気配の後、瞼を通してカーテンが閉められたことがわかった。
そして、自分の髪にテラスが振れる。
目を開けて抱き寄せたい衝動に駆られたが、我慢してもう少し様子を見ることにした。
しかし、テラスとの距離が近くなったように感じて、たまらず目を開けてしまったのだ。
至近距離にテラスの顔があり、アンセムは目を見開いた。

「あ…」

テラスは気まずそうに手を引っ込めた。
勝手に触ってしまって罪悪感を持ったからだ。
そんなテラスを見て、アンセムが綺麗な笑顔を向ける。
心臓が飛び跳ねるテラス。

アンセムは無言でテラスの手をとると、自分の顔に引き寄せる。
テラスの手のひらに頬ずりしてから、目を閉じて唇を押し付けた。
テラスは真っ赤になって、口をパクパクさせている。
テラスの手のひらから唇を離し、目を開いたアンセムは「おはよう」
と言ってテラスを見つめた。

「お、おはよう!」

握られたままの手。
引っ込めるわけにも行かず、オロオロとうろたえているテラス。

「今何時かな?」

アンセムはテラスの手を離し、体を起こした。

「え~っと、もうすぐ10時…もうそんな時間!?」

「よく寝てしまったなぁ」

語尾がそのまま欠伸になるアンセム。