超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する


「……」

テラスはカーテンを閉めた。
寝てても眩しそうだったからだ。
することもなく、再びアンセムの側にしゃがんでもう一度顔を見つめた。
本当に綺麗な顔立ちだ。
閉じられた瞼からは長い睫が伸びている。
形が良く高い鼻はすっとしていて、顎のラインは美しいと言ってもいいくらいだ。
女性のように繊細な顔立ちなのに、体はしっかり引き締まっていて、手足が長くてスラっとしている。

アンセムの容姿で好きになったわけではないので、日頃あまり気にしていないが、
改めて観察して、美男子であることを再認識した。
この見た目で、更に頭が良く性格は紳士的なのだから、女の子たちに騒がれるのは必然だとテラスでも思う。
テラスは手を伸ばした。
柔らかな髪をなでてみる。
胸がぎゅっとなった。

(この人は、どうしてこんなに私を大切に想ってくれるんだろう…)

自分はそれに精一杯応えているつもりだけど、きっとまだまだ足りないだろうな。
そんなことを考えながらアンセムの髪をいじくっていたら、なんだかもっと近づきたくなってしまった。
自分の顔をアンセムの顔に近づける。
その距離20cmに迫ったとき、アンセムの目がパチリと開いた。