超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

シンは夕食を選んで席を探していた時に、テラスを見つけた。
テラスの元へ行こうとしたら、別の場所にナミルも見つけた。
ナミルは女友達と3人で夕食を食べている。
シンはナミルの元へ行き、声をかけた。

「よ。あの本どうだった?わかりやすかっただろ?」

いきなり声をかけられたナミルはギョッとして振り向いた。
友人2人も驚いている。
もちろんシンのことは知っていて、しかもナミルが嫌っていることも知っていた。

「何黙ってんだよ」

シンは気を悪くするそぶりもなく、ナミルの隣の席に座ると食べ始めた。
戸惑いまくる3人。

「わかりやすかったわ。すごく」

自分が口を開かないとこの場が収まらないと思い、ナミルが感想を口にした。

「だろ~?」

満足気に笑うシン。

(なんなの…コイツ)

「わかんねーとこあったら、教えてやってもいーぜ」

しかもとんでもないことを言い出した。

「…あ、ありがと…」

押し付けがましい言い方にムッとしながらも、事を荒立てないように無難にお礼を言ってしまう自分の性格を呪うナミル。
友人2人はシンの性格を知っているため、口を挟まず無言で食べ続けていた。
ナミルもそれ以上言うこともなく、黙々と食事をする4人。
シンはそんな重い空気を全く気にすることなく完食すると「じゃ、またな」と言って立ち去った。

「………」
「………」
「………」

シンの姿が完全に見えなくなるまで無言で見送る女3人。

「ね、あれって、ナミルに気があるってこと!?」

シンが食堂を出たとたんに、友人の1人が前のめりになって聞いてきた。

「キャー!ナミル、可哀想~!」

もう1人も盛り上がる。

「まさか、それはないわよ」

ナミルはうんざりして否定したが、友人2人は暫くその話題に持ちきりだった。

(良くわからないヤツ)

友人と適当に会話を合わせつつ、面倒なことにならなければいいな、とナミルは思った。