超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

その日、テラスとアイリはいつものように食堂で夕食をとっていた。

「今日アンセムと会った?」

アイリが聞いた。

「会ってないよ」

「アンセム忙しいの?」

「さぁ」

「さぁって、知らないの?」

「知らないよ」

「会いに行かないの?」

「毎日会ってるわけじゃないよ」

平然とした顔で言うテラス。

「そう…。じゃあ、この後アンセムの部屋に行かない?」

突然の提案に、テラスは面食らった。

「なんで?」

「ライキスも呼んで、4人でゲームしようよ。新しいの仕入れたのよね。4人いないとできないの」

ライキスとは、アイリの恋人である。
年齢はアンセムと同じ。就業教育は調理・栄養だ。

「そう言えば、今日ライキスは?」

「今日は調理実習で、それがそのまま夕食になるんだって。7時には終わるみたいよ。で、ゲームはOK?」

「私は大丈夫だけど、アンセムはどうかな?」

「とりあえず、この後ライキスと合流して3人で部屋に押しかけない?」

「押し掛けるの?」

気が引けるテラス。

「サプライズよ。サプライズ」

「いないかもよ」

「そしたら、とりあえず3人でやりましょうよ。
それとも、アンセムの部屋に押し掛けるのはイヤ?」

「う~ん」

テラスは考える。
やっぱり迷惑なんじゃないか、なんて思ったりする。
でも、それはタテマエなのかもしれない。
付き合い始めてからずっと、テラスはアンセムの部屋を避けているのだ。
こんなかたちで突撃して良いものか…。