超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「馬鹿な上にかわいくねーんじゃ、救いようがねーな」

もう口もききたくない。
無言のナミル。

「いいから、読んどけよ」

ペシっと本で頭をはたかれた。

「やめてよ!」

しかしシンはそれには答えず本から手を離す。
ナミルは慌てて本を支えた。

「じゃーな」

そしてシンは行ってしまった。

「なんなのよ、一体」

取り残されたナミル。
仕方なく渡された本を開いてみる。
さっと目を通し、一番知りたかった分野を見つけ、立ったまま読み始めた。
悔しいけど、本当にわかりやすい。
あんな上の棚ににある本、自分では絶対に見つけられなかっただろう。

「良くわからないヤツ…」

ナミルはポツリと呟いた。

一方、シンはふらふらと図書館の中を歩いていた。
ナミルに声をかけたのは気まぐれだった。
いや、もしかしたら人と話したい気分だったのかもしれない。
思い返せば、ナミルは昨日は自分を庇うようなことを言っていた。

「変な女」

シンは無自覚に声を出す。
馬鹿な女、恋愛しか頭にないような女は嫌いだが、生物学の授業に頑張って追いついたところは認めてやってもいいかな。
そう思ったから、親切に本を選んでやったんだ。
シンはそう思うことにした。
結局その日は、シリーズ物の歴史小説をごっそり借りて、部屋で読みふけって過ごした。