超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「アンセムはたくさん我慢してるの?」

「えっ?」

「その…え~っと、色々と」

「ああ、色々とね。我慢してるよ」

「………」

「だけど、さっきも言ったように、それはテラスに合わせるって決めてるから気にしなくていいよ」

困ったように微笑むアンセム。
テラスはアンセムを見つめた。

(私が受け入れたら、アンセムは喜んでくれるかな…)

やっぱり無理してでも、応じたほうが良いのだろうか。
っつーか、無理しないといつまでたってもそこに至らないと思ったりもする。
ちょっと頑張ってみようかと思うテラス。

「キス…する?」

テラスは少し勇気を出して言ってみた。
言ってしまったとたんに、動悸が激しくなる。

(言うんじゃなかった!)

後悔しても時既に遅し。
アンセムは、テラスの頭に置いていた手を肩にまわし、反対の手でテラスの顔に触れた。

やっぱり今のナシ!
と言おうと思ったときには唇を塞がれていた。

「んっ」

すぐにアンセムの舌が入ってきてテラスは声をあげる。
本当は優しいキスで終わりにしようと思っていたのに、このタイミングでテラスから誘われて、自制できるはずがなかった。
恐がらせてはいけないと思っていたのに、テラスの全てがアンセムの理性を吹き飛ばす。
唇を重ねたままテラスを押し倒すアンセム。
自分の体重を両腕で支え、唇以外はテラスに触れないようにした。
テラスは抵抗できず、アンセムのキスに翻弄されるしかない。
アンセムの唇がやっと離れた。
と思ったら、今度は首筋をきつく吸われる。

「ああっ…」

今まで経験したことのない感覚に恐怖するテラス。

「キスだけだよっ!」

テラスは声を張り上げた。

「もちろん、キスだけだ」

そう言って、アンセムはテラスの首筋に何度も吸い付く。

「ひぁ」

ゾクゾクと、体中が痺れる感覚に陥った。

(なにこれ!?なに!?)

アンセムは執拗に首筋を攻めた。

「恐い…やめてよ!」

叫ぶテラス。
アンセムは動きを止め、テラスの顔を見た。
今にも涙が溢れそうなテラス。

「ごめんっ」

アンセムは慌ててテラスから離れた。