超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

澄ました顔で言われて、テラスはため息をついた。

「は~…」

「どうした?」

「いや、なんか、久しぶりにアンセムらしいこと言うなと思って」

「オレらしい?」

「うん。女の子褒めるの、上手だよね」

テラスは正直に感想を述べた。
アンセムはムッとする。

「それがオレらしいって、一体テラスはオレのをどう思ってるんだ?」

「う~ん、みんなの王子様?」

「本気で言ってるのか?」

「普段のアンセムはそんな印象かな」

サラっと言われてアンセムは軽いショックを受けた。
確かに、女の子は好きだ。どんな子にも、可愛い部分があると思っている。
長所を見つけて褒めることになんら抵抗はない。
しかし、テラスは特別な存在で、通りすがりの女の子を褒めるのと同列視されるのは心外だった。

「あれ?怒った?」

黙り込んでしまったアンセムを覗き込むテラス。
アンセムがテラスを見ると、実に楽しそうな顔をしていた。
益々腹立たしい。
アンセムは、テラスをぐいっと引き寄せ不意打ちでキスをした。

「!!!」

驚くテラス。
すぐに開放してあげることにする。
テラスはベンチから立ち上がり、アンセムと少し距離を取った。

「これもオレらしい?」

意地悪な顔で聞いてやる。

「もっとオレらしく行動してもいいよ?」

「すみません…言い過ぎました…」

形勢逆転である。
その後、2人はしばらく一緒の時間を過ごしてから、別々に寮へ戻った。