超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「うわ~!こんなところがあったんだ」

植物に目のないテラスは表情を輝かせた。

「最近見つけた場所だよ。ここなら人目もあまりない」

「明日もう一度来なくちゃ」

時刻は夕暮れ。まだ暗くはないが、明るい日差しの下で、この花たちを観察したい。
アンセムはベンチへ促そうとしたが、テラスはすっかり花たちに夢中だ。
仕方なく、アンセムは1人でベンチに座ってテラスを眺めた。
実に楽しそうに花々を観察するテラス。動くたびにスカートがひらひらと揺れる。
しばらくして少し満たされたのか、テラスはベンチに戻ってきた。

「蝶々みたいだな」

「は?」

「おいで」

アンセムはテラスの手を引いて、自分の隣に座らせた。
ニコニコしているアンセムを、テラスはポカンと眺める。

「う、嬉しそうだね…」

アイリの提案を半信半疑で採用したが、ここまで喜んでくれるとは。

「ああ。当たり前だよ」

「なんで当たり前?」

「あのテラスが、オレのためにお洒落して待っててくれたんだ。
嬉しいに決まってるよ」

「あの、って表現がひっかかるんですけど…」

「アイリが考えたのかな?」

「やっぱりわかる?」

「ああ。センス光ってる」

「あっはっは。アイリ喜ぶよ」

「とても似合ってる。可愛いよ」

まっすぐ見つめられて、テラスはドギマギした。

「……よく恥ずかしげもなく褒めちぎれるよね」

「本当のことだからね」