超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「どうでもいいって…」

「アンセムは、やっぱり私とのお見合いが嫌だった?」

「そういうわけじゃないよ。あれは進んで引き受けたことだから」

「ならいいじゃん」

テラスはまったく気にしていない様子だ。

「だって、出会いが仕組まれたお見合いでも、自分の気持ちは自分で決めたんだから。人の気持ちは仕組めないでしょう?」

笑顔でテラスに問いかけられて、アンセムは戸惑った。

「そうだろうか…」

「今までずっと誰になにを言われても、興味も出ないし本気でわからなかった気持ちが、誰かに仕組まれて芽生えるなんておかしくないかな?」

本当に不思議だ。
勉強とは違い、感情は努力で得るものではないことをテラスは身を持って知った。

「カイさんに言われたことあったんだ。初めてでも、好きになったらわかるって。
本当だった」

「テラス…」

「私、アンセムを好きになって本当に良かったよ。
お見合いなんて面倒だし、交換条件で仕方なく引き受けたけど、それで出会えたんだから、寮長に感謝しないと、かもね」

テラスが自分との出会いを喜んでくれることに、アンセムは胸がいっぱいになる。
ぎゅっと抱き締めた。