超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「それにミユウさん」

「ミュウが?」

意外な人物に、再びアンセムは驚く。

「ミユウさんの真っ直ぐな気持ち、すごいって思った。見てるだけで、気持ちの大きさが伝わってきたよ」

当時のミユウの気持ちはアンセムもわかっていた。
わかっていながら決定打を出さずにはぐらかし続けていた。
そのときの自分を思い出し、アンセムは少し苦い気持ちになる。

「それに、タイミングがいいんだよね。ミユウさんって。
アンセムから逃げてたときも、大喧嘩したときも、修復のきっかけを作ってくれたのはミユウさんだった」

「ひっかき回したのもミュウじゃないか」

テラスの中であまりにミユウの評価が高いことに、アンセムは少し不満だ。

「まあ、そうなんだけどね。でも私にとっては、それがアンセムと向き合う大きなきっかけになってたんだと思うんだ」

「テラスがそう言うならいいけど」

でもやっぱりアンセムは面白くない。

「アイリにはず~っと助けてもらってたし。それに、カイさんにも」

その名前にアンセムは緊張した。

「カイさんは、オレについてテラスに何か助言したのか?」

「あれは助言って言うのかな~。私の弱音を聞いてくれてただけなのかもしれない」

一体テラスとカイの間でどのようなやりとりがあったのか。
アンセムは気になって仕方がなかった。

「カイさん野次馬だし、噂話聞くの趣味だもんね。
でも、良く見ていてくれたのかな。カイさんの言葉に助けてもらった場面はあるよ」

「そう…なのか…」

裏でカイはテラスを操作していたのだろうか。

「テラス」

「なに?」

「もし、カイさんがオレたちを故意にくっつけようとしていたとしたら、どう思う?」

「故意にって?」

聞き返されて、アンセムはどう説明すれば良いか少し悩んだ。

「たとえば、オレたちの出会いが仕組まれたものだったとしたら?」

「仕組む?良くわかんないなぁ。
う~ん、お見合いで知り合ったんだから、まあ、仕組まれた出会いと言えばそうなんだろうけど、なんでカイさんが出てくるの?」

「いや、たとえばの話だよ」

テラスがなんと答えるのか少し緊張するアンセムだが…。

「別にどうでもいいじゃん」

あっけらかんとした返答に、肩透かしを食らう。