超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

さて、突然猛烈に会いたくなって来てしまったテラスだが、アンセムの顔を見たら気が済んでしまった。
わがままを通してしまった自分に呆れてしまうテラス。

「こんな時間にテラスが訪ねてくれるなんて、嬉しいな」

アンセムは思わぬサプライズに喜んでいる。

「いや…もう、唐突でごめんね」

「謝ることなんて何もないよ」

「うん…」

テラスはバツが悪くて、何を話して良いのかわからなくなってしまった。

「やっぱ帰る」

テラスは立ち上がった。

「テラス」

アンセムは思わず手を握って制止してしまう。

「ほら、顔見たら満足できたし」

「オレがテラスと一緒にいたくなったよ」

「寝不足は健康に悪いし」

「明日予定があるのか?」

「ないけど」

「なら、明日寝坊すればいいよ」

「でも」

「テラスはズルイな」

「なにが?」

「自分の都合で押しかけてきて、自分の都合で帰るのか?」

「ぐっ…」

テラスは反論できない。

それを良い事に、アンセムは少しだけ強引にテラスをソファに戻した。

「どうしてオレに会いたくなったんだ?」

一応ソファに座ってはくれたが、黙り込んでしまったテラスにアンセムは問いかけた。

「アンセムが今日言ってくれたことが嬉しくて、何度も思い出してたら会いたくなっちゃったんだよね」

「な…」

テラスの言葉にアンセムは赤面した。

「そういうことをテラスは無自覚に言うよな…」

「そういうことって?って、アンセム顔赤くない?」

「誰のせいだか」

「?」

わけがわからずテラスは不思議そうに首をかしげた。

日は充分暮れ、テラスは自分の言葉を素直に嬉しく思ってくれ、しかも、自ら訪ねてくれ、そして部屋に2人きり。
今まで抑えていた気持ちが溢れても、仕方がない状況だろう。

「テラス」

「なに?」

「触れたい」

「えっ!」

「そんなに可愛い事を言われたら、抑えがきかなくなるよ」

熱く見つめられ、テラスはうろたえた。
そんなつもりで来たわけじゃなかった。

だけど…。

テラスはアンセムに手を伸ばした。
この人とずっと一緒にいたい。
その気持ちは確かなものだ。
テラスは自分からキスをした。